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ゼロが最終プロテクトの解除コードを入力した途端、彼の後ろから巨大なハードディスクが
現れ、活動を開始した!数十を越えるメーターが点滅し、カウントが表示され時を刻んで行く!
「・・予定を変更する。システムの立ち上げを最優先する。あと三十分で開始しろ。」
ゼロが遺跡中のリーバードに指令を出す。そして再びロックのほうを見る。
すると、ロックは既にゼロに向かって斬りかかっていた!それをバク転で避けるゼロ!
「僕との勝負に勝ってから発動させるんじゃなかったのか?!今すぐ解除しろ!!」
構えながらも怒鳴るロック。その横には応戦をしに出てきたロールの姿もあった。
「ロックとダブルの戦いだったから黙ってたけど、時間が無いから私も闘うわ!!」
先程壁に打ち付けられた痛みは癒えたらしく、ロールもバスターを構える。
そんな二人を見て、ゼロはゆっくりと顔を上げて言った。
「トリッガーはまだ闘うには早すぎたようだ。仲間であるデコイを利用しても、実力の半分も
出せていない。この闘いで覚醒すると思ったがそれも無駄だった。俺はまだ甘かったんだな。」
「そんな事は聞いてない!!今すぐそのプログラムを解除しろと言っているんだ!!」
ロックは怒鳴った後、ふと全身を貫く殺気を感じた。ゼロからの殺気である。
ゼロの眼の赤がより濃く、濁った色へと変わるのがはっきりと見えた。
途端にロックは凄まじい寒気と恐怖を感じた。ロックは完全に『狩られるもの』とされたのだ!
ゼロの姿が消え、ロックの思考が止まったのはほぼ同時だった・・・。
ズドォン!!
・・傍にいたロールの眼には、ロックの胴にハープン・マグナムが突き刺さり、大量の
赤い液体をぶちまけながら、壁に激突するのがスローモーションのように映った。
全ての時が正常に動き出した時、ロックの身体は標本のように壁に打ち込まれていた。
眼を閉じ、光る刃に赤い雫をしたらせながら、彼は石像のように沈黙していた。
「・・・??・・・ロ、ロック?・・・嘘だよね?そうでしょ?そうに決まってるよね?!」
動揺し、つい声を張り上げるロール。そんな彼女に向かってゼロの言葉が冷たく刺さる。
「今リセット後の奴は死んだ。データだけは残してあるがな。」
絶望感に襲われるロール。そんな彼女に向かって赤く光る殺人兵器を向けるゼロ。
「後で別の端末を使い、トリッガーを覚醒させた後改めて闘わせていただく。さて、
デコイよ。プログラム実行のために、邪魔なおまえを殺させていただく。覚悟しろよ。」
ゼロがそう言いつつ、ロールに向かって行ったその時!扉を開け、希望の光が飛び込んできた!
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