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・・・ドサッ!!・・・
一つの影が今ゆっくりと倒れこんだ。遅れてもう一つの影も倒れる。相討ちだったのか?
一同が固まって見守る中、セラだけが最初に倒れた影のほうへと歩んで行った。
赤い刃を最後の灯火のように光らせる緑の髪の少年。ゼロ・ウォーレンツの元へ・・。
「勝負は俺の負けだったな。やっぱあいつは強いわ。イカレテなくても勝てたかどうか・・。」
肩から腹にかけて大きな傷跡があるというのに、軽い口調で話すゼロ。昔の彼に戻ったようだ。
「なぁ〜、セラよ〜?俺・・やっ・ぱ間違って・・たのかな?」
口では笑ってはいるものの、大量の出血で危険な状態である。そんな彼を見ながらセラが・・。
「・・少なくとも、もう我々がこの世界にちょっかいをかける必要は無い。我々は滅んだのだ。」
いつもの厳しい口調のセラにゼロが苦笑いをしていると、ロックがこちらにやってきたようだ。
「ゼロ・・いやダブル・・・。」 「よ〜う。ロック〜。元気・・そうだな。」
屈託の無いダブルの笑顔にロックは安心したようだ。ダブルの横に座り込む。
「さあ、帰ろう。早く治療して、元気に・・」 「ロック・・・ありがとな。」
突然のダブルの真剣な眼差しにしばらく固まる一同。なおも続けるダブル。
「俺とな、また・・友達になってくれ・てありがと・・な。こんな形に・・なっちまったが・・」
ロックには何を言っているのかわからなかった。そこへ何やらリモコンを取り出すダブル。
「今からプログラムを爆破・・する。早く逃げろ。・・巻きこまれちまうぜ。」
「何を言ってるんだ?!ダブルも一緒に!!一緒に帰ろうよ!!」
涙を流しつつ、ダブルに詰め掛けるロック。そんな彼を見ながら笑うダブル。
「トン・・でもない勘違いをしてたんだぜ・・みっともなくて帰れるか。それに、俺に
組み込まれて・・いる・・プログラムはまた発動・・するだろう・・しな・・。」
再度ロックの顔を見るダブル。その顔には帰ることの出来ない決意が秘められている。
「Z,Sを・・持って・・いってくれ。お守り・・みたいなもん・・だ。大切にしてくれよ。じゃあな。」
ロックはダブルを引きとめようとするがティーゼルに邪魔され、引きずられるようにして出ていった。
そして、ロック達が遺跡を抜けた瞬間!!
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォ〜ン!!
音を立て崩れ行く遺跡。あっという間にただの瓦礫の山と化してしまった。
しばらくそれを眺めていた。ロック達だったが、サルファーボトム号が着陸したので引き返す事にした。
ロックは窓の外をしばらく眺めていた。手に友の「形見」を持って・・・。
「・・・ダブル。君の事は忘れないよ・・。ずっと見守っていてくれ。・・じゃあね。」
一つの別れを載せ、去って行く飛行船。そんな飛行船を真っ赤な夕日が優しく包むのだった・・。
・・Fin・・
(to be never continuede)
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